ADL向上への働きかけ
排泄の自立は、生活範囲や社会参加機会の拡大、自立への意欲にも関わります。一口に排泄障害といっても、排尿障害・排便障害以外に運動機能の障害により、トイレに移動ができない、便座に移乗ができない、パンツの上げ下ろしができないことが原因となるケースがあります。頌徳会グループではご利用者・患者さんの能力に応じた目標設定を行い、その人らしい暮らしを送っていただくために必要な生活リハビリテーションを提供しています。
『排泄の自立支援』に着目した日常
生活リハビリテーションの取り組み
日常生活リハビリテーションの推進という基本方針のもと、排泄の自立に向けた取り組みを行っています。
『排泄の自立支援』に向けた取り組みとは
入院患者さんのなかでは、様々な疾患により、病気を発症する前の方法で排泄が行えなくなる患者さんがいらっしゃいます。そういった患者さんが、できる限り早期に病前の方法で排泄が行えるよう、多職種協働で支援を行っています。
オムツ・リハパンツ脱却基準に基づいた
自立支援
できる限り早期にオムツ・リハパンツ等から脱却できるよう、オムツ・リハパンツ脱却基準を設定しています。


日野病院では、市販のオムツよりもタイプが細分化された福祉先進国スウェーデン製オムツ「TENA」を使用し、患者さんの状態に応じた最適なオムツ選択を行います。基準を設けることで、『排泄の自立に向けた見える可』を実現し、関係スタッフと患者さん・ご家族は、現在の状態と自立に向けた次のステップを共有しています。
※尚、既製品を希望される場合でも、個々の患者さんの状態に応じた最適なオムツを提案しています。
TENAを採用する理由
リハビリテーションを目的に入院されている患者さんに一番適しています。特にベルトタイプは、他社製品に同じ物はなく、排泄を再び自立していく過程で、患者さんに負担をかけずに動作の再獲得ができるものになります。






TENAベルトタイプの特長
可動域が大きく、動きに合わせてフィットします。これからトイレ練習をしていく方には、患者負担なく始めていけます。

TENAパンツタイプをご利用されている
患者さんの声
「伸びやすくて脱ぎ履きがしやすいわ。」
「市販のパンツだと朝起きた時にズボンを汚した(尿漏れが起きた)こともあったが、このパンツに変えてからはそういったことがなく、安心して眠れています。」
「履き心地が良く、しっかりフィットしている感じがするわ。」

‘TENA’を使用し、トレイでの排泄が可能となった事例
40歳代の男性がバイク事故により、多発外傷・脳出血を受傷、急性期病院での治療後、リハ目的で当院へ入院となったケースを紹介します。
当院での排泄に関しての取り組み経過
できる限り早期にオムツ・リハパンツなどから脱却できるよう、当院におけるオムツ・リハパンツ脱却の基準を新たに設定します。
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01入院前
オムツ内での排泄
昼 夜 オムツ
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02入院初日
日中トイレ誘導開始
昼 TENAベルトタイプ
夜 TENAテープタイプ
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03入院1ヶ月後
日中トイレにて排泄
昼 夜 TENAパンツタイプ
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04入院4ヶ月後
終日トイレにて排泄
昼 夜 布の下着
トイレでの排泄が可能となったPOINT
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1.TENAベルトタイプの導入
当初は立位が不安定であったが、装着が容易なTENAベルトタイプを導入できたことで、トイレへの誘導が早期に実現した。
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2.「オムツ・リハパンツ脱却基準」による適切なタイミングでのトイレへの誘導の実施